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8月の彼女は向こう岸で微笑うのあとがき

2018/6/27:初稿

ちょっと遅くなりました(1年)が、KarenTでの配信がスタートしたので、動画や曲についての解説・雑文を残しておきます。

コンセプト

この曲は一言で言ってしまえば、「君」との別れを「僕」が徐々に乗り越えるお話。
人が死ぬと言うことは、その人に関わる時間の流れが止まってしまうことで、 つられて立ち止まってしまう人、立ち止まっていられない人、少しずつ折り合いをつけられる人、つけられない人、 それはその人の考え方や、人と人との距離によっても色々だと思います。

タイトルやサウンド面から「五月少女」を連想した人も多そうですが、軽快なサウンドと重めの歌詞のマッチングというところまで踏まえて考えると、 どちらかといえば「キップル・インダストリー」や「セカイカタログ」の系譜に連なる曲だと思います。 死生観というと大げさですが、「クロライドに没む」の時も似たようなことを考えていた気がします。

サウンド

上で述べた通り、暗めの歌詞に明るくてノリの良いオケを付けるのは当初からのコンセプトだったのですが、 フォーリー系の音やカットアップによるオケの制作など、今まであまりやっていなかったことに挑戦した曲でもあります。
この曲からDAWをAbleton Liveに乗り換えたこともあり、オーディオの切り貼りの楽しさにすっかりハマってしまいました。 これ以降制作したほとんどの曲でこの手の手法を取り入れてます。 アフターマス然り、公募用のインスト曲然り。

小ネタ

この曲、実はアイデアから形になるまで丸1年ぐらいかかっていて、当初のアイデアメモには「10月の彼女は向こう岸に微笑う」とあります。
そういうわけで、10月にアップするつもりで2016年の夏にアイデアをまとめたのですが、音楽への熱量不足と、そこそこ忙しかった仕事のためにろくに着手できず、あれよあれよと10月が過ぎて年末に。
ようやく正月に重い腰を上げてDAWのプロジェクトファイルを作成した時、そのファイル名は「March.alp」でした。
つまりその時は「3月の彼女は向こう岸に微笑う」だったわけです。
ところが結局3月になってもイントロしかできておらず、最終的には2017年の5月に一旦アイデアを整理して、再スタートします。 その時のファイル名が「InAugust.alp」。
このとき初めてこの曲は「8月の彼女は向こう岸で微笑う」となったわけです。

いやはや、ほんと世に出せてよかったねこの曲。